あおなじみ

日常生活。恨み節。性別捨てたい非国民。ネガティブ。

羽生結弦「RE_PRAY」考察

※注意※このブログは解説に必要なため「RE_PRAY」の内容を細かく書いています。UNDERTALE、FF9FF10、東京喰種(:Re)、MOTHER2エストポリス伝記2などなどの重大な部分までのネタバレが含まれます。ネタバレは嫌という方は読まないで下さい。

当初はスケート界隈向けに書こうかと思ったんですが、件の離婚の事もあり…「RE_PRAY」という作品は余所の界隈の人にも見て欲しいし、今後配信などで多くの人が目にする機会も出てくるのではないかと思ったので「フィギュアスケート羽生結弦もよく知らんけど、なんとなく見てみた」くらいの人にも理解できるように書こうと思います…。長文ですし(1万文字以上!ふざけてるのか!)、分かりにくかったらすみません。

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RE_PRAY考察暫定版(2023/11/13更新)

とりあえず脳内整理ということで暫定版を投下します。のちのち、中身がだいぶ変わると思います。

「推し活」という現実逃避装置で、否応なく現実を突きつける羽生結弦の「RE_PRAY」についての考察です。

前作「GIFT」はやや難解だったものの羽生結弦の自叙伝的内容であったため、比較的理解しやすい話ではありました。今作「RE_PRAY」はゲームがテーマとなっており、少々難解なメタフィクション的な作りとなっています。

個人的に「RE_PRAY」は「今まで羽生さんが怖くて言えなかった事をファンに対して言うために作った作品」だと思いました。そして話(ゲーム内のゲーム)の展開的には「4Aという究極の力を求めて競技を続けていたはずだったのに、破壊の使者になってしまった」という感じかな?と受け取りました。11/5の公演では考察のヒントとして、羽生さん自ら「観客の皆さんがプレイヤーであり神様です」「キャラクターに支配されていませんか?」とコメント。またパンフレットには「僕自身も色々と出てきたりはするのですけど、でも僕はプレイヤーである観客の皆さんの代表としての存在、みたいな感じです。」と書かれていたので、破滅の使者にしてしまったのは我々という事になります(多分)。

個人的に考察していて一番ビビったのはプレイヤーである観客の皆さんの代表としての存在である自己が破滅の使者であるクジャだったという事です。羽生さんそんなに思い詰めてたの?と…。

***

ショーが始まるとまず、ゲームのプレイヤーである厨ニ感満載の指グローブをした羽生結弦ファミコン的なもののスイッチを入れ、ゲームを開始します。その後ゲームの世界を構築するように白いローブをまとった羽生結弦*1が現れ、グリッドの中で舞います。背景には黒い天使のシルエット*2が。

FF10の「いつか終わる夢」を舞い、モニターにはゲームをする羽生結弦の映像。羽生の周りには命の光が流れており、それを手にすれば激流から逃れる力を得ることが出来るという。「YES」を選択し、流れる命を手にし喰らう羽生。ここでは「命を摘み取った」と表現される。赤いハート*3、そして「生きる」。

突如として不気味な雰囲気になり、リンク上には二筋の赤い光が。般若心経が流れ、真っ黒な女王系魔王様という感じの羽生結弦ムチがとっても似合いそうが登場。般若心経のBGMは椎名林檎の「鶏と蛇と豚*4である。背景のモニターでは妖しく赤い▲が光を放っており*5、滑り終えた羽生はリンク脇ショートサイド側の舞台へ。「微動だにしない強いケツイ」「後戻りなどしない 後先など考えない」「私がこの世界のルールだ」と言い、リンクを去っていきます。

すると8bit調の愉快なBGMが流れだし、羽生結弦はドット絵のキャラクターとしてゲーム画面内でモンスター(スライムやゴブリン、悪魔っぽいの)を倒していきます。アイテムを集め装備を強化し、レベルアップしていく。最初はたった一輪だった白い花が13本に増え*6*7、「自由を手に入れた」「もう激流に飲まれる事などない」とナレーションが入る。

そしてここでトロッコ問題*8が現れる。1つだけ命の入った籠と5つ命の入った籠があり、スイッチを押さないと5つの命が消えてしまうのだ。「スイッチを押しますか?」時計の音とともにモニターに映し出される客席。しばらく時計の音だけが会場に響き、客席と選択肢が明滅するという緊張感溢れる演出が。

11/4の公演ではスイッチが押され、5つの命が救われた。*9夢の世界が再構築され、緑(Hope&Legacy)、白(阿修羅ちゃん)、青(主人公?)のキャラクター達*10がプレイアブルキャラクター?になる。

殺伐とした流れと釣り合わない、間違って連れてこられた感のある「普段は精霊やってるんですが…」という雰囲気の「Hope&Legacy」が氷上を舞う。しかしHope&Legacyの力を持ってしても世界は荒廃し「大地は枯れている」ようだ。

羽生は「選択はあっていたのだろうか」「あんなにも多くの敵を倒し続けてしまった」「その素材(カケラ)で強くなっていった」*11「それは間違った事だった…?」「答えは ない」「誰にも正解はわからない」としつつも「なら この世界で生きていくことを決意しよう」「全てを背負って戦おう」などとつぶやきつつ、ゲームを続けます。

石柱が立ち並ぶ*12白黒の市松模様の床*13の空間で、ゲームオーバーとコンティニューを繰り返しつつも挑戦を続けます*14。そしてなんとかギリギリでステージをクリアし「おまえ、ここに来るまで一度も死んでないよな」「それとも、何度死んできた?」*15というメタな問いかけが入ります。

SE*16と共に登場する羽生。出だしの攻撃技部分も自身のスケート靴の音で表現。そう、曲は「MEGALOVANIA」である。レーザーやプロジェクションマッピングを駆使し、骨攻撃っぽい演出など、がっつり原作を再現。強敵を倒し、最後のステージ*17へ進みます。

モニターには主人公と、メカメカしい羽の生えたラスボスに相応しい敵*18*19が。プレイアブルキャラは(旧)ロミオとジュリエット、パリの散歩道、オペラ座の怪人、SEIMEI、Hope&Legacy、Let's Go Crazy、天と地と、RealFace、レゾン、阿修羅ちゃん、そして「?」。

ボスキャラクターはこんなふうに語りかけてきます。

ようこそ よくここまできた 欲望のままに ここまできた気分はどう?

好奇心だけで 区区たるモノを踏み台にしてきた気分はどう?

ここに至るまでの人生(みち) 様々なことがあっただろう。

あなたは知っている。勝利することの快感を。道を切り拓くことの達成感を。

そして、次の物語の展開を楽しみに待っていた。

何もかも乗り越えてきたつもりだろう。だがそれは、大きな勘違いだ。

振り返れば分かるだろう。乗り越えてきたんじゃない。

他人も、身体も、精神も、自我も、命も、道徳も、倫理も、理性も、想いも、

夢も、希望も、憎しみも、嫉妬も、全て壊して、踏みつけて歩いてきた世界だ。

ただ考え、見ていただけ?選んだのだろう?

見続けるという選択を。この世界を見たいという心のままに

同時に、進めるよう、応援していたのだろう。

一緒に戦っていたのだろう。”レベルアップ”(成長)してきたのだろう。

何度も止められるチャンスはあった。それでも、物語に委ねてきたのだ。

もう、止められない。

次々と呆気なく倒されていく羽生結弦のプログラム(キャラクター)たち。「?」が選択され登場する赤いキャラクター。いとも簡単にボスを倒してしまいます。

さあ 最後だ。

これで 最後だ。

突き進むために、ここまでの想いのために、選択しよう。

あなたの世界に、越えるべき壁はありますか?

壊すべき壁はありますか?

モニターが開き*20、赤い衣装を纏った羽生結弦がリンク上の「YES」を力強く踏む*21。6分間練習が始まり、試合前のような雰囲気に。6分間練習後半のBGMは「独りじゃない*22のギターアレンジ。

「戦う 壊す 戦う」「何と? わからない」「いや、わかっていた」

「けど わからなくなってくる」「ただ壊すことが全てなのか」

「わからない」「わかりたくもない」「壊せ 壊せ 壊せ」

「進むために」「おれのケツイが やっとだせる*23*24*25

不穏なビープ音が鳴り、いよいよ演技が始まります。曲はFF9より「破滅への使者」のギターアレンジです。演技を終え、モニターにはセーブ画面が表示されます。セーブしようとするのですが、データが壊れていてセーブ出来ません。

「セーブデータがこわれています」という表示と共に、前半は終わります。*26

 

 

---随時更新予定です---

 

 

 

*1:タロットカードの1「魔術師」と思われる。ポーズも同じ

*2:UNDERTALEにおけるデルタルーンの紋章の▲はモンスター、上の羽の生えた円はモンスターを救う救済の天使、もしくは死の天使と解釈されています

*3:UNDERTALEの❤ケツイ

*4:「東京喰種」7巻63話以降:力を得るために金木が喰種を共喰いし始め、「東京喰種」7巻66話:金木くんが「まずい」「吐きそう」「最低の味だ」と言いながらヤモリを喰う場面あたりに歌詞が対応している。喰種は喰種を食べるとパワーアップするが…(後述

*5:UNDERTALEにおけるデルタルーンの紋章の▲はモンスターを意味する。赤色なのは先述の❤と、東京喰種の赫眼もモチーフであろう。

*6:タロットカード13「死神」。13は完全数の12、新たなスタートを意味する1(魔術師)から形成。旗に描かれた白い花は生と死の神秘を暗示。 祈りを捧げる聖職者も描かれている。

*7:羽生結弦平昌五輪後~北京五輪までに手にしたメダルの数も13であり、羽生は勝利する事を「犠牲がある」と表現した事があった

*8:「東京喰種」7巻62話:ヤモリに母親か子供どちらを殺しどちらを生かすかという選択肢を押し付けられる場面がある

*9:11/5では押されず、1つの命が救われるというストーリー分岐あり!ただし結末は変わらない

*10:各種ハート(タマシイ)の色はこのように対応しており、緑→親切(H&L)、青→誠実(Megalovania)、白→モンスターの魂(阿修羅ちゃん)です。

*11:UNDERTALEのGルート=虐殺ルート最終盤にて"キャラ"というキャラクターが「私は自分を蘇らせたものが何なのか悟った。私たちは共に敵を殲滅し力をつけた。HP…ATK…DEF…ゴールド…EXP…LV…数字が大きくなる度にお前が感じたもの…それが私…『キャラ』だ…」と話す

*12:UNDERTALE、サンズの審判の場面がもモチーフ

*13:「東京喰種」7巻63話辺り~:市松模様の床の上でヤモリとバトル

*14:ここで「ああ、こうやってみたら?」「なるほど…」とか言ってるのが「東京喰種」7巻65話:「どうだ?」「浅いか…」と呟きながら力を試すかのように戦う金木くんとダブる

*15:UNDERTALE、サンズとホテルでの会話?

*16:UNDERTALEでモンスターと遭遇するときのあの音

*17:北京五輪的な位置付けなのか?

*18:UNDERTALEの最終形態アズリエルに似てもいるが、頭部はロボコップ的な感じで口だけが覗いている

*19:北京五輪を当てはめるのであれば、このボスは幼少期の羽生結弦という事になる

*20:ここで流れる曲はBergentrückung

*21:ここからのBGMはAsgore

*22:原作では主人公のジタンを仲間が助ける時に流れるシーンなので、皮肉っぽい演出になっている

*23:「やっとだせる」の部分だけ音声が加工され、声が被ったようになっている

*24:こちらの演出もUNDERTALEの「キャラ」を彷彿とさせる。

https://dic.pixiv.net/a/Chara%28Undertale%29

https://undertale.fandom.com/ja/wiki/Chara

https://dic.nicovideo.jp/t/a/chara%28undertale%29

*25:メインビジュアルに映りこむもう一人の羽生さんもキャラを意識していると思われる

*26:UNDERTALEの「SAVE」は「助ける」という意味に変ずる時がある。つまり助けなくていい、残さなくていいデータという意味か?

羽生さん本人に信用されなくて当然だよね~という話

当方はわりと同担に対して厳しめの目線を持ってる(羽生さん本人に対しても割と厳しい)と思う、いち"羽生結弦オタク"です。他のファンとは全然意見が合わないなーと思っているオタクの中でのマイノリティです。
羽生さん入籍以降のファンの意見とだいたい合わなくてスッキリしないんで、ブログに書いてみることにしました!なお事前に書いておきますが私は入籍大大大祝福&大大大肯定派です。
「裏切られた!」とか言ってる人は長いですが最後のほうまで読むとスッキリするかもしれないし、しないかもしれません。界隈に対して溜まりにたまったものを吐き出してる感じなんで、あまり読ませる気が無くてすみません。

いま羽生結弦さんについて検索している人の多くは「なぜ羽生さんはパートナーを隠すのか?」と思っていることでしょう。その人の年齢や性別くらいは本人の口から開かしてもいいのでは?と。
そもそも「どんな有名人だろうが、パートナーの情報なんて開かす必要は無い」というのが私の大前提の考えなんですが、敢えてこれの答えを言わせていただくとするならば「ファンを信用してないから」だと思っています。
もちろん公式見解ではないし、私がこう言うと羽生さんサイドから「ファンの皆さんのことは信用してますよ…✨」とか言ってきそうなんですけど(私のせいで言及させちゃった前科もありますしね!?)…ぶっちゃけ、小木さんが正解だと思う。

もちろんある部分では信用してると思います。でもそれは自分へのポジティブな感情とか、ファン側の利益につながる部分などで(たとえばYouTubeのメンバーシップ限定のあれこれ)、他の部分(倫理観とか読解力とか他のスケーターや関係者への接し方とか…)は全く信用してないと思ってます。
なぜなら、それだけ我々は信用するに値しない事をしまくってるからです。ニュースになってないだけで浦○レッズのサポーターみたいなこと、やっちまってるんです。
ファンの側も「アンチの仕業!」とか「仲間割れやめようよ~」とか言って真実を見ようとしないので、自浄作用が殆ど働いてないです。
捏造からのアカウント消去追い込み(後述)とかやられちゃうと、もう自浄とか無理だなと思ったし(ヤバい側の人間達のパワーが圧倒的に強すぎる)、おそらく羽生さん本人も諦めてると思います。
なのでとっくの昔に「いかに刺激しないように魔物たちをヨシヨシするか(そしてヨシヨシしつつ分かる人には分かる表現を出し続ける)」のフェーズに入っていて、その位置からは戻って来れないんじゃないかな~と思ってます。

具体的に、羽生ファンがどういう事を羽生結弦さん本人や周りの人にしてきたかなんですが、まず先に、羽生さんや羽生さんのご家族へのプライバシー侵害について書いていきます。
大半のアマチュアアスリートがそうであるように、羽生さんのマネージャー代わりになっているのは羽生さんのご家族です。小さい頃から現在に至るまで、仕事のスケジュールをまとめるのも、ホテルの手配やらプレゼントや手紙の仕分けも身内の方+αでやってます。
(何故か羽生さんだけ特殊!みたいな書かれ方をする事が多いけど、他の世界トップの選手もそうだよ…?少なくともスケーターさん達は……と、言いたい…)
今はさすがにスタッフさんが居るでしょうけど、あまり外部の人を入れたくないのかな~という印象が昔からあります。情報を漏らす人が居るから、信用できる人しか入れたくないんでしょうね。
とくにお母さんは、ファンから色々な迷惑を被ってきている方だと思います。2010年頃はファンの数もそこまで多くなかったですし、震災前辺りまではファンとも積極的に交流をしていました。直接手作りのプレゼントのお返しをもらった人、Twitter上にもいらっしゃいますよね。
ファンとの交流をやめたのは、私の記憶が正しければソチオリンピック後ですね。それまで身内の方とメールでやりとりしてた人もそれなりの数居たようなんですけど、ソチ五輪後に「ファン対応をフラットにしよう」という感じで、そういう密な交流をスッパリやめたっぽいです。
これは勝手な私の想像なんですけど、距離感バグってる人の対応が仕切れなくなったのもあると思います。当時のTwitter上でも何人か身内の人と交流があった人がいましたけど中には「こいつはおかしいぞ」ていう人がいまして、その人はソチ五輪後に連絡取れなくなったぽいですね。すげー被害者面したツイートしてたけどな。
カナダに拠点を移すまでは、仙台の自宅に押し掛けてる人もかなり居ました。これについては、自宅凸を自慢げに話してる人もいたくらいです。

2012年にカナダに移ってからも羽生さんは追いかけられ続けました。
誕生日祝いのポスターを拠点近くのバス停に出す企画もありました。そもそもトロントに引っ越して早々スーパーで買物してる羽生さんとお母さんとの3ショットをFacebookに上げられてるくらいで、そんな中で生活圏に誕生日祝いのポスター出されるのってしんどくない?と思ったんですが、企画した側の人は「チヤホヤされたほうが嬉しいに決まってんだろ!」という感じでした。
この手の話で一番酷かったのは、羽生さんと同じクラブに入会してWeiboに盗撮をあげてた人ですかね。クラブ側からも注意されてたみたいですけど、結局やめませんでしたね。(あの人今、息してんのかな?w)
プレゼントの投げ込みで本人にプーさんを持って貰えないからという理由で、客席の関係者エリアで観戦してたお母さんにプレゼントを渡す人もいましたね。勿論怒らずに受け取ってくれたでしょうけど、内心どう思ってたんでしょうね。出待ちも、会場やホテルのロビーだけじゃなくてホテルの部屋の前まで行ってる人もいたくらいですからね。
最近だと2022年のファンタジー・オン・アイスの後も、羽生さんの後をつけて新幹線で仙台までついていった人達もいましたね。何故かバックヤードの関係者エリアに入り込んでる中国の人(この人はファンなのかどうか分からなかった点もまた怖かった…)も居ましたしね…。

と、まあ、このように羽生さんや羽生さんのご家族は「ファン不信になっても仕方がない、距離感バグってる人達によるプライバシー侵害エピソード」に事欠かないんですよ。
ちなみに私は紙チケット・身分確認なしの時代に、羽生さんの乗ってるバスの前に飛び出した出待ちの人にチケットを譲りそうになった事があります。教えてくれた方、その節は本当にありがとうございました。いやあ~危なかった~…。
よく羽生さんはマザコンだの、親離れできないだの、或いは親がくっつきすぎだの言われますけど「お前は自分ちの家族が変な人から四六時中付け回されてても平気なのか?距離感バグってる奴らから24時間365日詰められまくってても平気でいられるのか?そういう状況で近付いてきた身内ではない人間を信用して仕事を任せられるのか?」と問いたいですね。少なくとも私なら怖くて無理。何考えてるか分かったもんじゃないもん。

ここまではファン対羽生さん(とご家族)のエピソードを書きましたけど、この次はスケートファン名物、ファン同士の確執や採点陰謀論の話です。ざっくり言っちゃうとフーリガン的な話だと思っていただいて結構です。
この手の話って結構前からありまして、今現在にも続く確執・陰謀論はおそらくキム・ヨナさんと浅田さんからの流れだと思います。
回転不足だの、加点がつかないだの、なんだのかんだのという話題ですね。もちろん国際スケート連盟さんたちがもうちょっと他の競技のようにテクノロジーの導入に積極的だったらもう少し採点傾向が明瞭になったのでは?と思わなくもないんですが、この話って、それ以前のモラルの問題なんですよね。

事の発端は羽生さんが頭角を現しだした2012年頃ですかね。高橋大輔さんのファンの方々が羽生さんを中傷するようになりました。おそらく、界隈で一番有名なのはこちらの「震災アクセサリー」発言でしょうか。
実際私も会場で何度かこの手の人達に試合の時に実害を受けており、個人的に一番酷かったのは2012年のメダリスト・オン・アイスでの出来事でした。メダリスト・オン・アイスというのは全日本選手権エキシビションなので、優勝者が最後のほうに滑る形になります。その年の優勝者は羽生さんだったんですが、高橋さんの演技の後に「大ちゃんが後に滑らないのはおかしい!」と2~3名の後期高齢者方々が喚き出しまして、隣席の人に窘められて退出…という事を実際に体験しています。
この頃の高橋さんのファンの応援が怖かった…という所から羽生ファンの間には応援タオルバナーへの忌避感が産まれ(D1SKバナーの集団の圧が怖かった)、そのせいか現在に至るまで羽生さん本人の名前の入ったバナーは公式で販売・配布されておりません。「お揃いのバナータオルは圧があって怖い」という、当時のファン側の意向を汲んでの事だと思います。(白と水色のANAさんのものは先着順と抽選のみで、配布はごく限られた数のみです)

この時期はまだ良かったんです。羽生さんが勝てていたのでね。お察しの通り、羽生さんの後輩選手たちが良い感じになってくると、羽生ファンは、浅田さんのファンがキム・ヨナさんにしたようなことや、高橋さんのファンが羽生さんにしたようなことをし始めたんですよね。
それが一番最悪な形で出たのが2019年のトリノでのグランプリファイナルでした。試合に負けた後に、羽生ファンが会場の貴重な展示物に落書きしてしまったんです。(※修復不能)
もう書いててしんどくなってきたんだけど、こんな事してる奴ら…信用できる?
自分に当てはめて考えて欲しいんだけど、赤の他人が「△△が○○ちゃんをいじめるから(無根拠)、○○ちゃんのために抗議の落書きしちゃった!(しかもオリンピック記念の展示物の上に直接)」って言ってきたら、普通の人間はドン引きするよね。
それでこの事件本当にバカだと思ったのはさ、この事件を起こした事によって「本当に羽生結弦が結果に抗議したかった場合」の道筋を絶っちゃったんだよね。だってこんな狼藉を働かれたら、バカな実行犯とそれの支持者以外の人間は「自分が抗議したらもっと恐ろしい事が起きて、他の選手に危害を加えるかもしれない」と考えますのでね。
事情を知らない人が呑気に「羽生からファンに注意しろよ」とか言ってたんだけどさ、私は「出来る訳ねえじゃん!誰かに言わされてるとか訳わかんねーインネンつけて、連盟の人が○されるぞ!(もしくは身内の方やご本人が…)」と思ってました。知らないっていいよね。

ファンダムはこんな感じのゴミ共がデカい面してる状況ですけど、羽生さんて、スケーターや関係者に対して自分のファンから誹謗中傷して欲しくなかったんだと思うんですよね。自分が散々やられてたから。
だから昌磨くんのことをかなり可愛がってたし、他の後輩にも気を使ってる。2020年全日本選手権での鍵山くんへの声かけはそれが顕著に分かるエピソードだと思う。これって自分が強気なことを発言して叩かれてたから、鍵山くんには同じ想いをして欲しくなかったんじゃないかな。
(どれくらい些細なことで羽生さんが叩かれてたかというと「負けないっすよ先輩」と言っただけで叩かれてましたからね、マジで)

そういう想いを持っているであろう羽生さんは、落書き事件のあった2019年のグランプリファイナルの直後の試合=全日本選手権のメダリスト・オン・アイスで、凄い事をするんですよ。
高橋さんはこの2019年で、男子シングルを引退する事になっていたんですけど(2020年からダンスに転向)、長年ファン同士で確執のあった高橋さんと、羽生さん側から手を繋いで周回したんですよ!!
グランプリファイナルでの事件があってからのコレですよ!?「もう、そういうのはいいんだよ、争わないで」と言いたいのかなと思いました。この涙とか、どんな想いがあったんでしょうね…。
あくまでもファン同士の確執ではありますが、気を使ってか互いに距離を置いているようには見えましたし…2010年のNHK杯とか、あの辺の時期は普通に喋ってますからね…。
この周回を見て私とか私のフォロワーさんはめちゃくちゃ感動してたんですけど、わりと多くの人が何もここからメッセージを感じ取れなかったんだよね。
私なんかは人生で見た中で一番美しいフィギュアスケートの周回だと思ったんですけどね…分かってくれる人が少ないっていうのは寂しいことです…。

昌磨くんへの接し方や、鍵山くんへのコメント、高橋さんとの周回。この辺だけでもだいぶファンに対して釘を差してると思うんですけど、明確にファンに対しての怖れみたいなものを表明したな~と思ったのが「プロローグ」での「いつか終わる夢」についてのコメントでした。

https://digital.asahi.com/sp/articles/ASQC50CZ7QC3UTQP00P.html

今回のこのプログラムは皆さんの応援の光がすごくまぶしくて。でも、皆さんの思いととも一緒に滑っている。けど、自分はもう見たくないとか、でもまた一緒に滑るとか、最終的に皆さんの思いを集めて自分はまた滑り続けるんだ、みたいなことを表現したつもりです

もう見たくない」とまで思わせちゃったんですよね。我々の応援。何のことを指してるかって"そういうこと"でしょ?と私は思ったんですけど、みんなこの辺はスルーしてましたよね。そもそもインタビューを丁寧に読む人がこの界隈は意外と少ない。

GIFTの考察にも書いたんですが、羽生さんが競技から身を引いた理由の一つに「ファンをこれ以上魔物にしたくなかったから」という理由があると思ってます。(ご本人の口から語られている事ではないので、私のはただの推測ですが)
もしかしたら魔物になったファンをどうにも出来ない自分の事も責めていたんじゃないかなと。スコアや順位でしか自分を赦せず、方向性がまとまらないまま北京五輪まで行った。その結果4Aも成功とはならず、若手選手に先を越されてしまった…(そして魔物達の攻撃の矛先は若手選手達へ…)。
羽生さんて平昌後は「勝つ」というよりも、4Aを飛んだり、自分の好きなスケートをするっていう方針だったはずなんですよ。でもだんだんそうじゃなくなっていったのは…自分が勝てば魔物も暴れないから勝とうとしてくれてたのかもしれないな…と思いました。
決断に踏み切れないまでも、何年も前から頭には競技を辞めること(滑ってても楽しくないという気持ち)があったんじゃないかなと思います。

競技を辞めてからファンダムが落ち着いたかというと、そうでもないんですけどね。
本人にも名前と顔をほぼほぼ間違いなく覚えられていて、撮影可の試合会場で一番お金をかけた写真を撮ってる方が居たんですけど、その方はインネンをつけられてデマを撒かれてネットリンチされて昨年Twitterのアカウントを消してしまいました。
多分羽生さん本人もこの件は「なんでそんなことするの」と思ったことでしょうね。アカウント知ってるだろうし。顔見知りの人がアカウント消滅に追い込まれて、どん引きしただろうさ。「ざまあみろ」と思ってる皆さんよりも、はるかに近くで沢山羽生さんを見てた人なのに、デマで閉鎖に追い込んじゃったもんね。
わたしはこのネットリンチの件で「このファンダム、本当に終わったな」って思いました。もう何にも期待しないようにしようと。
普段お綺麗な事を言ってる人(でもジャッジ批判はするわよ☆みたいな人)が、本件について全くスルーしてたのは怖かったですね!「あ!いいんだ!ネットリンチは!へー!」って感じですよ(笑)
先日のランキング番組での荒れかたもマジで気持ち悪かったし。とにかく、何が何でも羽生さんが1位じゃないと陰謀論言い出すんですよ、この界隈。

ここまで書いとけば、一般的な常識を持ち合わせてる人は「そりゃそうだよな~ファンのこと信用できなくもなるわ」という感想を抱きますよね?
でもこのファンダムは、みんな「サリーとアン課題」が出来ない人ばっかりなんだよね。
羽生さんから見て「悪いことをしてない自分たち」が、「悪いことをしてる人たち」との区別が付くと思ってるの。つくわけないじゃないですか。昔から応援してて顔と名前が一致してるような人でもない限り、俺らはただのモブ。
でも羽生さんとしては表向きはそういう事を言えないから「ファンはみんな良い人」という感じで接するよね。だってこの態度を崩したら、どうなるかわかんないもの。
羽生さんが一番敵に回したくないのは間違いなく「ファン」だよ。異常な行動力を持った狂人と、何人も接してるからね。

ここで「ファンを信用してないならそもそも入籍発表しなけりゃよかったじゃん!」とか言われそうなんですけど、これに関しては「嘘をつきたくないから」というのと「依存して欲しくないから」という事だと思うんですよね。
アンチや、今回の入籍で降りたファンは「羽生結弦は、自分を孤独な人物であると演出し、自分に依存させるための演出をしていた」かのように捉えた人が多いようなんですけど、実際は全然違うんですよ。
そもそも前から依存するなと言ってるんです。羽生さんは2015年の時点で自分に依存するファンがいる事を既に見抜いてるんですよ。

「皆様の想いが私の背中を押してくれています。心からの感謝を。そして、皆様が皆様の幸せを感じられますように。」
https://plaza.rakuten.co.jp/umitosake/diary/201512130000/

この絵馬はインパクトがあって覚えてるんですよね。「自分の事を応援してくれるのは有り難いけど、あなた自身の事はどうなんですか?」と言ってるように思えたんです。これって根底の部分ではGIFTと同じじゃないですか。
GIFTは「僕はこうしました。では、あなたはどうしますか?でも、疲れたらここに戻ってきていいからね。ここでみんなのためにギョーザ焼いてるね❤️(※かわいいプーさんのエプロン着用)」という話だと私は解釈してるんですよ。(※ギョーザもギョーザを焼く羽生結弦も作中には登場しません)

なので「孤独だって言ってたじゃん!嘘つき!」みたいな事を言ってる人は、ご自身の読解力が全く無かったというだけの話なんですよ。
そもそも周りにはサポートしてくれる人がわんさかいるわけで、社会的孤立とか物理的な孤立というよりは「創作することや夢を追うことでの孤独」だというのは本人と作品を見てればわかる話だと思うんですけど(星野源さんとの話でも解るはず)、今回の入籍で「自分の向き合っている"孤独"は入籍すれば解決する話ではない」という答えを見せてくれちゃったんですよね~。凡人なりの例えをするなら「試験勉強の応援は皆がしてくれるかもしれないが、実際に試験を受けるのは自分」という感じの"孤独"です。

私としては相手が誰かとかマジでどうでもよく、入籍という表現にしたのもセクシャリティへの配慮だと思っているし(同性愛者でも無性愛者でも"入籍"なら出来る)、もしかしたら今後もお相手についてご本人の口からどうこう言うことは無いんじゃないかな?と思うんだけど、明かしても明かさなくても私はどうでもいいんだよね。
私は、作品や発する言葉や行動としての"表現"に気を使ってもらえれば、それでいい。人種や性別やセクシャリティを差別せず、ファシズムでマッチョな事をしなければいいんです。今までのように困窮状態にある人や被災地に心を寄せる優しい人で居てくれたら、それでいいのです。
そのうえで羽生結弦でしか出来ない美しいものを見せてくれたら、もうそれで十分です。だから今まで通り「つまんねーなコレ…」と思ったら素直に感想を言いますけどね。賞賛だけじゃつまんないし。

今回も週刊誌があーだこーだ書いてますけど、案の定、それに書かれてる「お相手像」に対して「相応しくない」だのなんだの言ってるわけですよ!!
「バーーーーーカ!!!!!そーいうとこだよ!!!!!」って思いましたね。
おめーらにパートナー品評会されたくねえんだよ。ついでに「子供はまだなの?」みたいな産めハラされたりもしたくねーだろうさ。いい加減にしろよ…。

これからも羽生さんはファンに対してめちゃくちゃお優しい言葉を投げかけてヨシヨシいい子いい子しまくって来て下さると思うんですけど、自分の作品や言葉を本当に理解されるとは思ってないんじゃないかな?と思うんですよね。
GIFTって「夢を追いかける当事者としてのあなたも居たはずでしょう?」と問いかけてくる作品だと思ったんですけど、入籍に怒ってる人って他人事として消費してるんですよ。「夢に向かっていく孤独な羽生結弦の物語」として。だから「裏切られた!」とか言う。せっかく作中に「自分は特別じゃない」という台詞があるのに、ミスリードしてしまう。
でもおそらくご本人も、ファンが当事者意識を持って見てくれるとはあまり思ってないんじゃないかなと。RE_PRAYも恐らくGIFTの路線を汲んだもので「ぼくはこうする、じゃあ、あなたはどうする?」という作品になってくるんじゃないかという気がするのですけどもね。

じゃあなんで羽生さんがそういう作品を作るのかというと、羽生さんは我々のカーチャン(トーチャン)だからです。ファンは「自分たちが羽生結弦のカーチャン(トーチャン)だ」と思いこんでる人が多そうですけどね、実際のところは全然違うよ。
羽生さんは自分に依存するしょうもない大人たちを、どうにかして自分の足で歩かせたいんじゃないかな?って私は思ってるんですよ。
なんせ我々は、自分の気に食わない事があると周囲の人や物を破壊しだす、都合の悪い事は絶対に見ようとしない、全てを他人のせいにする醜い魔物の赤ちゃん人間共なので。
これからもこのしょうもない人間共を、ママみたいな優しい菩薩スマイルで包み込みながら、"羽生結弦"という概念を召還し続けるんでしょう。
私はそういう人を支える人間が一人増えた(元々いらっしゃったんですけども)っていうだけでも、すごく有り難い事だと思う。"羽生結弦"っていう概念を召還して動かしていくの、なんなら結構グロいし、大変すぎる事だと思うからさ。感謝することはあっても「相応しくない」なんて言う筋合いは表現を見させてもらってるだけのこっち側の人間には無いんですよ。

私はこれからも引き続き出された表現に対しては文句を垂れるかもしれないけど(だってしょうがないじゃん!!カーチャンとは音楽の趣味が違いすぎるんだもん!!)、絶対にカーチャンを泣かせるような行動はだけ取らんでおこう…と思います。だって、GIFTというお家に帰れなくなるのは嫌だから…。

羽生さんだけではなく、競技を頑張ってる後輩くんたちや、スケート関係者の人達、その他いろんな人たちに迷惑をかけないようにしていきたいもんですね。
まあ、こんな事言ってもヤバい人達には絶対に分かんないだろうけどね…。

GIFTにおける羽生結弦さんの自己受容

まず最初に注意事項です。「○○のせいで羽生さんはああなったのだ!」的な考えをお持ちの方、回れ右でお願いします。
そうした文脈を好む方は不快に感じると思いますので、以下の文章は視界に入れないようお願いいたします。

 

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***

 

羽生結弦の内にある空洞

GIFTは、有り難い事にドームで観ることができました。今回のショーでは、羽生さんがどのように自己を認め、赦していくかの過程、自己受容の過程が描かれていると感じました。
かなり間違った受け止め方かもしれないですが…私は「羽生結弦がこんなにしんどいなら、私も仕方がないな」と思えました。

こんな事を言ったら失礼かもしれないですが、元々羽生さんには常に何かが欠けているような気がしていました。胸にぽっかり穴が開いているような感じが、いつもしていました。
努力を積み重ね、まるで奇跡のように結果を残し、強靭なメンタルを感じさせてくる羽生さんではありましたが、振り返ってみると「おや…実はちょっと大変なところがあるのかな…」と思うような事がチラホラありました。
そして一番「この人大丈夫?」と感じたのが2015年のFaOI。あの「天と地のレクイエム」です。
震災がテーマで、暗い表現になるのは当たり前なのですが…「この人、今夜手首を切って死ぬのではないか?」と感じた事を強烈に覚えています。全身にガラス片が突き刺さっていて、そのガラス片を更に深く、手を血塗れにさせながら身体に突き立てているような、自傷的にすら見える演技だったのです。演技が終わった後、何か憑き物が落ちたかのようにフッ…と無表情になった事も強烈でした。
どこまでも深い井戸の中を覗いているような気持ちにさせられ、感動したり悲しくなって涙を流すというよりは、とてつもない死の匂いを感じさせられた…というのが率直な感想で、私の中で強烈なプログラムとなりました。
金沢ではもっと死にそうな感じだったとの事で「あまりにも表現が暗すぎる」みたいな感想がチラホラ呟かれ「もうあんな怖い演技はしないで」みたいな事を言ってる方もいたくらいでした。私は神戸で見たんですが、金沢、どんだけヤバかったんだろう。

そんなわけで私は、これまで羽生さんのことを「なかなか塞がらない空洞を持った人」だと思いながら見て来ました。(あとは、桜の木の下に死体が埋まってるタイプだな…と…)
羽生さんは非常に感覚が鋭く(とくに聴覚)、色々なものを拾いすぎてしまう。集中力が凄まじいから自分の世界に入りきれるし、空気を読むのが苦手だからこそ、傷つけないように気遣いをしたり、時には過剰に適応したりする。
そして、完璧主義故に自己肯定感が低く、内省的。感情を出したくて衝動的に体を動かすこともある。ゆえに、肉体感覚が希薄な感じがする時もある…自分の肉体なんで好きにしたらいいと思いますが「ボディのスペアがあるのかな?」と感じるくらい、いつでも常に全力でした。
これらの特性は、羽生さんが生来持っているものなんじゃないかと、個人的な経験から感じています。なので「○○のせいで結弦くんがこんな事に」と言うのは、元々の性質を否定しているようで、逆に傷付けてしまうような気がしています。
それに「誰かのせいにすること」は自己受容ではないです。結局、他者に責任を委ねているだけですから。元々、困難な部分や暗い部分が多かれ少なかれ元々あったのが"羽生結弦"なのではないかな、と。
こういうのってデリケートな話になってくるし、ズケズケと他人の領域に踏み込んでいくような感覚もあるし、なかなか難しい話ですけども…。
でも今回は「自分も、そういう感覚なら知ってるよ」と言いたくて、敢えて書くことにしました。生きる上で抱えるある種の困難さが、少し自分と似ている気がしたからです。
(似ていると言うことさえ烏滸がましいという自覚はあります。すみません。)

 

GIFTとはどのような物語だったのか

では、考察に入ります(前置きなげ~)。

ざっくり言うと、GIFTの前半部分は幼少期(あったかい世界の僕の時代)~震災~北京五輪のトラウマを乗り越える…という流れで、後半からは前半を参照しつつ、自己受容への扉を開けていく物語になっていると思います。
まず押さえておきたいポイントですが、自己肯定感=自己受容ではありません。自己肯定の基盤となるものが自己受容であり、自分の良い面だけを肯定するというのは自己受容ではありません。悪い面含めて自分を認めること=自己受容であり、自己受容があってこその自己肯定感…という感じです。
なので、自己受容なしの自己肯定というのは、ほんの一時的なものにしかなりません。穴の開いたバケツにテープを貼って、一時的に凌いでいるだけです(…すんません、説明下手なので検索して下さい)。

私の解釈ですと、前半部までは「自己受容が全く出来ていない(意識すら出来ていない?)、穴の開いたバケツにテープを貼っている状態」です。そして「バケツに貼ってあるテープに気付く」のが「ロンド・カプリチオーソ」の前のアニメーション部分です。
ここで羽生さんは、いつ出来たかわからないけれど瘡蓋になっている、治っていない傷に対し「あなたのおかげで強くなったんだ」「治っていいよ ありがとうね」と言います。
そしてテープを剥がすのが「ロンド・カプリチオーソ」。結果はおわかりの通り、見事に成功させました!本当に本当に、美しい場面でした。
なぜここでロンカプなのか?というと、ロンカプが自己受容の入り口としてぴったりだったからだと思います。ロンカプを東京ドームで滑りきっても過去は変えられないし、失敗してしまった事(傷)は無くならない。その過去と向き合うためにロンカプを滑ったのだと思います。

 

タノシイ? ~ 阿修羅ちゃん

阿修羅ちゃんの前の8bitな部分で「ここまで来るのにどれだけの時間がかかった? どれだけの努力をしてきた? 自分でもわからない できなきゃ意味がない なら今の僕は必要ないのか 本当にそうでいいのか?」という台詞があり、バックに数字の映像が流れています。
この辺りは自分が「数字で結果を残せなくなったこと」への比喩で、結果が残せなくなったが故に、自身の内面の暗い部分と向き合わざるをえなくなった…という事なのかな?と、思っています。
結果を残していた頃は、数字で肯定感を得られていたわけです。ここでの8bitでノイジーな演出は、前半のバラード第1番(高得点をもらい、数字で肯定出来ていた)のパートとの対比になっていると思います。
バラ1はポジティブな言葉で溢れているのですが、優しいキラキラした風の表現とは別に、モノクロの砂嵐のような風の表現があり、テレビの砂嵐画面のような、少し不穏な演出が混じっているのです。
また、バラ1以外の前半部においても、映像にファントムや"黒い結弦"がチラチラと頻繁に映りこんでいます。このスクリーンでの映像演出は単なるイメージではなく、非常に重要なものである…というのは、最後の方に書きますので、最後まで読んで下さい(笑)。

数字で結果を残すこと。これは本当の意味での自己受容では無いと思うのです。数字が無くなったら、崩れてしまうのですから。もちろん悔しい気持ちはあると思います。欲しかった数字は確実に存在することでしょう。
しかし、その数字に縋ったところで、結局は本当の意味で自分を認めたことにはならないのです。数字での結果に結びつかなくても、出来なかった自分を赦すこと。これこそが本当の自己受容ではないでしょうか。
この視点から見ると、阿修羅ちゃんでの「こんな僕のことだれがわかる?一生わからない。わからない!」「あんたわかっちゃいない!」という叫びは「どうしたら自己受容出来るのか解らない自分自身」にも向けられているのではないでしょうか。

 

黒白の結弦 ~ オペラ座の怪人(ファントム)

羽生さんは五輪を二連覇しようが、グランドスラムを達成しようが、自己受容出来ていない。「あるべき姿」を目指し、ひたすら強さを求めてきたけれども、何の解決にもならなかった。
いつまでも空洞に風が吹いている。一般的なアスリートが満足できる地点は、何カ所もあったはずなんです。でも出来ない。いつまでたっても埋まらない。
それは羽生結弦が「特別じゃない」からこそ(これは「いつか終わる夢」の前に語られる言葉)、自己受容出来ておらず、自己肯定感が無いからこそなんです。
平昌五輪後、当初は自分へのご褒美的な意味で滑っていた筈なんですよね。でも羽生さんの場合「五輪後にもうちょっと滑りたい」みたいな動機では弱くて、それだけで自己受容出来なかったからこそ勝ちを求めたし、最終的に「アマチュアでの4A成功」を次の"夢"として設定したのかなと思います。

オペラ座の怪人(ファントム)」のパートでは、自己受容出来ない黒い羽生結弦と、"夢"であり、黒い結弦を守り・隠すための仮面でもある白い羽生結弦が現れます。
このパートでは白い結弦という「あったかい世界の僕」(=幼少期から抱いていたアマチュアでの4A初成功という夢)と繋がります。
「4A初成功」という幼少期からの自分の夢(=白い結弦)を自己受容の礎にすべく、鎖をつけてまで引き留めていた黒い結弦でしたが、礎にするには脆すぎて消えてしまいます。(消えた理由については後述)
仮に4Aを初成功させていたところで、羽生さんの場合それは仮初めのものであり、満たされるのはほんの一瞬なのではないかと思います。繰り返し述べているとおり、なかなか埋められないものを持っている性質なので。

 

たくさんの結弦 ~ いつか終わる夢

オペラ座の次のパート「いつか終わる夢」は、FF10の曲です。夢に向かって「消えないで」と叫ぶ立ち位置を原作に当てはめると、羽生さんは召喚士側(ユウナ?)なんですよね。 
原作でのユウナはティーダという主人公の事を好きになるのですが、ざっくり言うとティーダは"夢"なので、物語のラストで消えてしまうのです。これは、どうしようもない、変えようがない世界の運命として、消えます。
(ついでに言うと、ティーダは沖縄のほうの方言が語原になっており「太陽」を意味します)
FF10での召喚士というのは「祈り子の夢」が媒体になっている「召喚獣」を喚びだして戦います。ティーダもまた「祈り子の夢」として召喚されていた存在だった…というのがゲーム内でのお話です。

ファントムからの流れを汲むと、羽生さんにとっての「夢(召喚獣)」は「(アマでの)4A成功」でした。つまり羽生さんにとっての「祈り子」は「あったかい世界の僕」であり、白い結弦だったわけです。
自分で自分を祈り子にして「夢」を召喚する。これは原作ではあり得ない設定です。なぜなら「祈り子」は、謂わば人柱のようなものだからです。生きている人間から魂を切り離し、石像に眠らせたものが「祈り子」なのです。なかなかグロテスクですよね。
ここを、原作通りに出来ないのが羽生さんなんですよ。「誰かが傷付いてでも、アマチュアで4Aを決める」という選択肢もあったはずなんですよ。でもそれをしなかった。誰かや何かを祈り子に使わず、自分自身を祈り子にしたというわけです。

さらに、FF10の召喚士には大切なお仕事があります。「異界送り」です。
これはFF10世界における葬儀のようなもので、舞うことにより彷徨える死者の魂を異界=あの世に送るのです。なぜわざわざそうしなくてはならないのか?というと、ネガティブな感情を抱いたまま死んだ魂は、魔物になってしまうからです。
ではいったい、誰を魔物にしたくないのか?これは「いつか終わる夢」初披露時、プロローグの時に語られていた事にヒントがあると思っています。

https://digital.asahi.com/sp/articles/ASQC50CZ7QC3UTQP00P.html
今回のこのプログラムは皆さんの応援の光がすごくまぶしくて。でも、皆さんの思いととも一緒に滑っている。けど、自分はもう見たくないとか、でもまた一緒に滑るとか、最終的に皆さんの思いを集めて自分はまた滑り続けるんだ、みたいなことを表現したつもりです

このコメントから推察するならば、魔物にしたくないのは「ファン」なのではないでしょうか。ご本人に「もう見たくない」とまで言わしめる応援、何度も見ている事と思います。

沢山の羽生結弦が歩いているパートでは、黒い結弦は「だれも傷付けない、ちゃんと完璧でいるから」と白い結弦を引き止めます。
しかし白い結弦は「いってらっしゃい」と互いを繋ぎ合わせていた鎖を自ら解いて去って行きます。一緒にいると羽生結弦が大切にしたい世界が壊れてしまうのが分かったから、黒い結弦を「自由」にさせたのかも知れません。
また、Twitterで「夢を見ることに疲れてしまった祈り子のようだった」と書いている方がおられ、それも非常にしっくり来るなあ…と思いました。延々と自己受容できないループを続け、新しい夢を召喚し続ける。「一人で夢を見ること」に疲れたから、白い結弦は去ってしまったのかも知れません。
冒頭でマントを投げるのも、マントが「夢」だったりするのかなあと思いました。こころなしか、少し名残惜しそうに投げますよね。

 

椅子に座る結弦~ノッテ・ステラータ、エンディング

そして最後の、椅子に座っての場面。このあたりは「いつか終わる夢」のパートまでと違い、自他境界が曖昧になっていて、誰のことを指しているのか曖昧な部分があります。しかし「僕は特別なんかじゃない」「君も僕も特別なんかじゃない」という台詞から推察すると、敢えてそうしているのかもしれません。
出来ない自分を責めたこと、不完全な自分を認められなかったこと。自分のこれまでを赦しつつ、新たな「夢」として星たちから「みんなからのギフト」を受け取ります。
自力で育んできた「自分の夢」から、周囲の人やファンと共に育む「みんなの夢」へとシフトするわけです。「誰かのために」という気持ちを礎にし、進んで行こうとしているわけです。

ここで「やったね結弦くん!自分を受け入れることが出来たんだね!」…と、言いたいのですが。

「皆さんの期待に応えられない自分だったら、必要ない」
https://digital.asahi.com/sp/articles/ASQD84JR2QCKUTQP008.html

これです…これなんですよ…。このインタビューは構想が決まっていた時点での発言です。ご本人的にはまだ「自分を認めていく作業」の途中なのかも知れないですね。
それがどういう結果に結びつくかは、誰にも解りませんが、GIFTは羽生結弦さんにとっても「帰れる場所」にしたかったのでしょう。いつでも思い出して、自分で自分を認めることが出来るように「GIFT」を作っておいたのかな、と思います。
だからこそ、ポスターにタイムトラベラーがいるのではないかな、と。

 

トラベラーはどこにいたのか?

で、そのトラベラーなんですが、実は本編に出てきます。どこに出てくるかというと、前半の太陽と月のパートです。

「辛いところなんてないよ。これが僕だから。」
すごくかっこいいって思った。
僕も月みたいに強くてかっこよくなりたいって思った。

ここなんです。月の部分にトラベラーが現れてるんです。本編通して、ここだけなんです。おそらく、トラベラーはどこかの次元から、この時点に戻ってきているのでしょう。
ひび割れてても、傷ついてても、その欠点を恥じない。輝ける「月みたいになりたい」と…。月明かりが自分を照らしてくれたように、自分も誰かを照らせる存在でありたいという事なのでしょうかね…。

 

泣ける。

 

そして、こうも言ってるのです。

「もちろん、自分自身が今までの人生の経験の中で、一人ということを幾度も経験してきましたし、実際に感じることもいまだにありますし。それは僕の人生の中で常につきまとうものかもしれないです。

https://hochi.news/articles/20230227-OHT1T51218.html

もしかしたら彼の胸の穴は、覗いていると吸い込まれそうな程暗くて、キラキラした、アメジストホールのようになっているのかもしれません。

 

「特別なんかじゃない」

けれども。羽生さんみたいな特性の人が送る人生は、全然キラキラしたものじゃありません。キラキラして見えるのはほんの一部の人だし、その人たちは恵まれた環境にあったからこそ輝けているのです。そして、恵まれた環境においても特性故の苦労は絶えません。
だからこそ「特別なんかじゃない」というメッセージがある。羽生さんと近い特性の方ではなくとも、似たような感覚を抱いたり、似たような境遇におかれた方はいるでしょう。
そう考えると「太陽」というのは「ご家族や、周りで支えてくれる方々」なのかもしれませんね。

 

さいごに

Notteの前になんとか……と思い、駆け足気味で考察をまとめました。個人的には割と良い線いってる解釈ではないかと思うんですが、その辺の解釈は人それぞれなので、色々な受け止め方があっていいと思います。
今回解釈を進める上で、FF10だけではなく羽生さんのお好きな「東京喰種」「東京喰種re:」も踏まえて考えたりしました。FF10からは召喚士、祈り子の夢…とほぼそのまま設定を引き継いでいると思うのですが、主人公の「ペルソナ(仮面)としての自己」が沢山現れるのが東京喰種だな、と思いました。
でも一番気付きを得たのは恐らく羽生さんとは全く関係ない、Mr.Childrenの「深海」でした。というか、暗い中に椅子がポツン…という構図が非常にこちらのジャケットと似ていたからです(笑)
https://open.spotify.com/album/0URMrYr4RiKdPVfM5vWxUp?si=wXLedFosTlysPv-dDhpcmg
「深海」におけるシーラカンスとは…と考えたとき、もしかしてGIFTという物語は自己受容の物語だったのか…とようやく気付きました。
名盤中の名盤ですし、GIFTと構成が似ているので、興味のあるかたは聞いてみて下さい。シーラカンスとは"夢"なのかな?と感じるし、「花」とかはまさに、自己受容しようと足掻いている感じがします。

「深海」もそうですが、優れたコンテンツというものは時間の磨耗に耐えるものです。GIFTもきっと磨耗に耐える作品になるでしょう。それくらい普遍的なテーマがあると思いますし。
バンドでいうなら、デビューアルバムに位置するものが「深海」て。ヤバすぎですよ羽生さん。これからの作品にも期待しています。
MIKIKO先生とのお仕事も、また出来ると良いですね。GIFTに関わって下さった皆さん、本当にありがとうございました!

最近の羽生ファン界隈に思うこと

北京五輪後の初更新がこんな内容なのは最悪としか言いようがないのですが、あまりにも腹立たしいので更新します。私の場合、悲しさとか辛さより、怒りのエネルギーのほうが強いんですよね…。

数日前、とある古参羽生ファンのアカウントが、おそらくとある人の引用RTが原因で鍵アカになってしまいました。(→その後アカウント削除しました)

f:id:kurage27:20220327210626j:image

この人の生きている世界では誰にRTされたかで発言の正しさが決まるようだ。嫌がらせ用のアカウントやスパムアカウントにRTされたら、その人のツイートは正しくなくなるんだろうか。

そもそもTwitterの使い方は人それぞれなのでRT=全面的賛同とは限らないし、通知やRT欄を頻繁に確認するような人たちばかりではない。

何年も前からフォローされており、てっきり私はこの方のことを羽生ファンだと思っていたのですが、羽生ファンではなく他スケーターのファンとの事。間違えていた事については申し訳ないですが、その割には自分の推しへの中傷に言及してなかったりするので、個人的には前から疑問の多い方でした。

が。それなら何故わざわざ事情も知らない、文脈も理解できない界隈の事に首を突っ込むのだろう?「何を考えてるかわからない」って、羽生ファンじゃないなら、なおさら知るわけがないのにね。

 

私は前々から、今回アカウントを閉じた古参ファンの人が言っていることは、ほぼほぼ全面的に正しいと思っていた。もちろん考え方の違いはあれど、模範的な人だと思っていた。なので、今回のような形で閉鎖してしまいとても辛い気持ちです。

あと何故か誤解されてるんですが、このアカウント閉鎖した方と私はなんの繋がりもありません。赤の他人ですし、代弁しているつもりもありません。無知な人の手によって善良なアカウントが閉鎖に追い込まれたのを見て勝手にムカついているだけの赤の他人です。

今から私が書く話は、ニース前からの羽生ファンの間ではある程度共有されている(と思う)話で、又聞きなので細かい部分は違う部分もあると思います。概ね事実であると思うのですが、ボカシつつ書けそうな事だけ書いておこうと思います。間違いがあったり、書くべきではないことを書いていたら教えてください。

 

昔は身内からファンに声をかけていた

たとえば昔から試合会場に出されているとある有名なバナー。メディアでも取り上げられていた話なので書いてもいいかと思うんですが、あのバナーは元々ご親族の方が作られたものです。

最近はバナー貼りも無くなりましたが、数年前まではバナー貼りやバナー抽選で試合前に会場に並ぶなんてこともありました。そのバナー抽選にご親族の人が並んでいたのか?というと、そうではありません。国内外の試合に誰が持って行くのか?バナーは誰が会場に出していたのか?……それはもう、お察しくださいとしか言えないのですが。

出待ちとかではなく、会場でバナーを出していたら話しかけられて、それが身内の方で…という信じられないような事も、昔はあったんです。昔は結構な人数のファンとやりとりしていたようですが、今でも身内の方とやりとりがあるのはおそらくごく少数ですが、確実に存在します。

 

関係者批判をしている人は居ない

なので、私のスタンスとしては「羽生さんがもしファンに助けを求めるなら、まず信頼するファンに声をかけるだろう……」「そもそも協力して欲しかったら自分の口で言う人だよね」という感じです。

だから、ジャッジ批判などに乗り気ではないんです。今回アカウントを閉じた人は、その辺りのスタンスが自分と近そうだからこそ、羽生ファンによるやらかしについて厳しいツイートをしていたんだと思います。

私がリアルでもやりとりしている人はそのあたりの事情をご存じの方が多く、昔から応援していて本人にバナーと顔が割れてる知人が何人も居ますが、関係者批判をしている人は誰もいません。トリノでの落書き事件の時も、ネット上でジャッジへの抗議があった時も否定的でした。嘘だと思うだろうし、どうせ一番信じて欲しい人は信じてくれないだろうと思うので、信じなくて良いです。人は信じたいものだけ信じるでしょうからね。

だから私は現状はファンは何にもしなくていいと思ってます。現状、むしろ邪魔になることしかしてないし、実際足手まといにしかなっていないので。ファンができるのは、中傷やデマの報告くらいではないでしょうか。

 

古参ファンの言うことに耳を傾けて欲しかった

ぶっちゃけ昨今の「全員応援系は信用できない」みたいなノリに超げんなりしてるので、誰かを説得しようという気持ちは自分にはありません。もう最近は、呆れる事しかしてません。「信頼できる人以外全員途方もない大バカ」くらいの気持ちで見てます。

普通に考えたらわかると思うけど、昔からの羽生ファンて、スケオタが羽生ファンになってるんですよ。というか私は「今でも羽生さんサイドと繋がりのあるファンが何人かいる」という事くらい、ファンの間では常識だと思っていたので、何でわかんないの?と不思議に思ってました。

個人的には「本人のために行動を起こすにしても、事情に詳しそうな人に話を聞いてから行動した方がよくね?」という気持ちがデカいです。クリケットにいるストーカーとかそういうレベルではなく、ちゃんと信用されている人はいるんですよ。

これは断言できますが、もし「スケオタ」を羽生ファン界隈から追い出したら、会場で見慣れたバナーの人たちは全滅するでしょうね。羽生さんがそういう古参ファンを信用してないのでは?と思う方も居るかも知れないですけど、それは絶対にないです。

 

今回アカウントを閉鎖した方は、そういった羽生さん周辺の人間関係等の事情も込みで注意喚起していた人とお見受けしていたので、非常に残念です。どこまで書いていいかわからないし、今まで表立ってこういう事を言う人がいなかったので、逆に迷惑になるかもしれませんが、ネット上だけで観察できる人間関係が全てではありません。今回私がここに書いたことをふまえて、アカウントを閉鎖した人のツイートを見たら、また別の視点だっただろうになと思います。

 

何もかも非常に残念だし、自分の無知を恥じろとは言いませんが、自分の知らないことが世の中には存在するという事くらいはわかるだろうし、意味がわからないなら突っかからずに黙ってろと思います。

ましてや自分の引用が原因でアカウント閉鎖になった事は間違いないだろうに、誹謗中傷や社会的な倫理に反する事をしていたわけでもないのに閉鎖に追い込んで、何の反省も謝罪の言葉もないのは怒りしかありません。

誹謗中傷をしているわけでもないのに「○○の派閥に利用されるような言動をするな」と他人に指図するのはガキのする事です。ましてや、今回閉鎖に追い込まれた方はどう考えても善良な方でした。もし注意喚起するつもりなら、もっと書き方があるんじゃないですかね?私には喧嘩腰にしか見えませんでしたし、実際ネガティブに受け取ったからこその閉鎖だったんでしょう。

そして、もし悪質なアカウントを共有させたいなら自分でブロックリストでも何でも作って、共有させたらいい。自分では何も出来ないくせに何様のつもりなんだろう。

 

今回の件に対して「いい気味だ」と思った人もいるかも知れません。でも「スケオタ憎し」のたどり着く先は、馴染み深いバナー達の消失かも知れない、という事だけは心に刻んでおくべきでしょうね。

言葉を持たない歯車

東京オリンピック終わりましたね。色んな意味で終わりましたね。私は最初から最後まで東京オリンピックアンチだったので殆ど見ませんでした。
ちょっとは観ても良いかなと思ってましたが、身近なところで感染者が出てしまったこともあり、観たら申し訳ないような気がして観る気になれませんでした。

さて今回の東京オリンピック。コロナのせいで結果的に医療ソースを市民から奪った五輪になってしまいました。
五輪賛成派の方から「アスリートはスポーツだけやってりゃいいの!」と怒られそうですが、五輪反対派の方からは「コロナ下での医療従事者への感謝の言葉がアスリートから出てこない」という話が時々出てきます。

私は実際にオリンピックを見ていたわけではないので、もしかしたら医療従事者やコロナ下で苦労している人たちへの言及をした人が居たかもしれませんが、医療現場に近いところにいる人間としては「本当に何も言わなくて良いのかな?」という気持ちがあります。
こうなってしまった事は仕方がないですし、こんな状況での開催になってしまった事について、選手は全く悪くないです。変な自己嫌悪とかしなくて良いと思います。

でも、医療へ負担をかけたということは事実なわけで。
せめて五輪に引き抜かれた医療従事者への感謝を軽くでいいから述べるとか、そういった気持ちは一切無いのかなと。
もちろん内心は考えてるでしょうけど、きちんと口に出した方がいいんじゃないかと思ってしまうんですよね。

だってさ、言えるよね?変な圧力とかかかってるのかもしれないけど、実際にコロナ下での医療従事者を労い、コロナ下でのしんどさを演技に落とし込んで表現したアスリートもいるじゃないですか。

羽生結弦さんて言うんですけど。
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2021/01/06/kiji/20210105s00079000395000c.html

そりゃあ冬季と夏季じゃ立場が違うだろうし、安全圏からモノを言ってるだけに見えるかもしれないけど、本当になんの一言もないのは、マジでどうかと思う。
もしかしたら言及してる選手もいるのかもしれないけど、観てない自分からすると「観客入れろ」と言ったり「相手側がコロナにかかってラッキー」みたいな事を言う選手が目立ってしまっている気がしまして。

アスリートだから伝えられること。「感動」とかそういう安っぽい言葉ではなく、この世の中をどういう風に乗り越えていくべきなのか、そういうメッセージを出す事も出来たんじゃないかと思うんですけどね。そういうこと、一人でも誰か言ってたんかな。
 
この点、羽生結弦さんはマジですごいなって思ったんですよ。だってちゃんと自分の言葉で発信しつつ、演技(マスカレイド)でも伝えてるじゃないですか。
コロナ下でのマスカレイド、ものすごく意味のあるものですよ。
いつまで仮面(マスク)をつけなきゃならんのだという気持ちや、羽生さんにとって体質的にワクチンがリスキーであるという事、諸々への憤りや、生き延びてやるという叫びみたいなものを感じましたよ。
東京五輪に駆り出されたらマジでどうしようかと思ったし出たらもう絶望しか残されてねえから死ぬしかねぇと思ってたけど、出なかったし。
(そもそも出演を期待してた人が想像してるような感じでは無いよね。MIKIKO先生案に居ないし)
アスリートへの応援の言葉はあったとしても、今回開催した事そのものを全肯定しているわけではないだろうしね。
 
東京五輪がつまんねーなと思うのは、そういうところもある。今後の世の中へのビジョンがない。負債を抱えてしまった日本で生きるというビジョンを、誰も持っていない。
オリンピックのせいで東京という日本の中心部にデカい穴が開いてしまった事について、何か行動したり、語れることは無いんですか、と。

日本に生きる人たちは、これからその穴を埋める作業をしなきゃならんのです。未来への負債になることは、まず間違いないです。
パソナがニコニコして失業者を迎え入れる準備をしていることでしょう。)
穴が開いちゃいましたけど我々はアスリートなので~ってスルー出来るのだとしたら、それは特権ですよね。
自分たちの舞台が用意されて、それがとてつもない大穴をあけてしまっても、無関係を装っていいんですかね?

 

アスリートだけが贖罪すべきと言ってるわけじゃないんです。とにかく、日本で生きてる人全員が、この失敗を受け入れていかなくてはいけないんですよ。
その時に、巨大兵器・五輪ロボの歯車になってた人は、どう向き合うのかな~って思いました。

 

羽生さんのデマを訂正しなかった元陸上の胡散臭いオッサンとかさあ(根に持っている)、随分甘ったるいこと言ってらっしゃいましたけどねえ、あんたらも日本という国で生きてるんですよ。
あのオッサンには「なに関係ねえって顔してんだ?この国全体で、クソデカい穴を埋めんだぞ!」って言ってやりたいですね。

PEGASUS DREAM TOUR、クソゲーかもしれない

PEGASUS DREAM TOURがあまりにもしょうもないゲームなので、このようなゲームに関わってしまった羽生さんが気の毒で仕方がない今日この頃。ゲーム好きな人なら、たぶんこのゲームがいかに出来の悪いゲームか、よくわかると思う。
普段ゲームに触れない人も羽生さんのおかげで沢山遊んでいるので、このゲームのせいでゲームのイメージが悪くなるのでは?と思ってしまうほど酷いゲームだと私は思っているので、お気に召している方はどうかUターンしてください…。
 
ディレクターの田端さんが大手ゲームメーカーのスクウェア・エニックス(※)から離れ、会社を立ち上げてから初めてリリースしたのがこの「PEGASUS DREAM TOUR」(以下PDT)でした。
(※知らない人向けに説明するとスクウェア・エニックスは「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」などを作っているゲームメーカーです)

このPDT、検索していたらどうも「企画ありき」感があるゲームでした。
https://mag.sendenkaigi.com/brain/201909/aoyama-meeting/016997.php
まあ、オリパラ関連だし、そんなもんだろうなーとは思ってましたが…。既存のオリンピックのゲームと比べて、明らかに出来が悪いんですよね。
吉田沙保里さんが出て話題になったこちらとか。
https://www.olympicvideogames.com/tokyo2020/jp/
あとはシリーズ化してて安定した楽しさのあるマリソニとか。
https://www.olympicvideogames.com/marioandsonic/jp/
コンシューマー向けのゲーム(家庭用ゲーム機向けのゲーム)と比較するのもどうかとは思いますが、あまりにもチープすぎると思いました。
というか、この程度なら(グラフィックはともかく)いまどきインディーズでも作れるんじゃないかと思ってしまう…。
 
PDTは表向きダイバーシティだのなんだの言ってるので「多様性うんぬんかんぬんを意識したゲームなんですよ!」と言われたら、オファーを断る方が難しいかもしれない。
しかも、ANA経由でのオファーだったのでは?という雰囲気もあり…「良い企画だ」と思って参加したんでしょう…。
https://s.famitsu.com/news/202101/22213230.html
うーんこれはツラい…。今頃遊びながら落胆してるのではないか…?
 
PDT、良いところを探す方が難しい。良いところは操作しなくても適当にゲームが進むところくらいで、これが逆に退屈さを作ってる。悪いところはめちゃくちゃある。
・アプリがとにかく立ち上がらない。BGMが細切れになったら「あ、立ち上がらないな」と思ってしまう。
・店や映画館に行くと確認無しでコインが勝手に使われる。課金要素なのにこれはヤバい。
・画像処理が多分めっちゃくちゃヘタクソ。シェーディングが度々おかしくなり、メイン画面や競技場で勝手に影が濃くなったりする。
・Playストアでは1000人程度しかDLしてないのにサーバーが混雑する。脆弱サーバーしか用意できないならソシャゲ作らない方がいいと思う。
・おみくじ引くのすら順番待たされる。
・移動画面をいちいち見せるのはいったい何のつもりなのか。テンポ悪い。
・レッツトークの画面で自由に移動できない。街を見せたいからわざわざ移動シーンを入れているのかと思いきやそうでもないらしい。ゴチャゴチャしすぎだしカメラの視線移動すら言うこと聞いてくれない。オートとマニュアル操作、切り替え出来るようにすべきでは。
・ボッチャの練習試合は何も干渉できないのでマジでびっくりするほどつまらない。アニメーションが面白いわけでもないのでスキップか早送りの機能が欲しい。
・インターバルが入って経過時間がリセットされるのは嫌がらせとしか思えない。
 
もしかしたら障害のある人でもプレイ出来るように作ってあるのかもしれないけど、こんなゲーム作るくらいなら障害のある人でも自由に操作できるコンシューマー向けコントローラーでも作ればいいのにと思いました。
ほぼ見てるだけのゲームでアニメーションすら面白くないとなると、何の魅力もないですよ。映画見た方がいいじゃん、そんなの。
 
ゲーム内容が大して面白くなくてもSNS映えすればバズってDL数が伸びると思うんですけど、絶対そんなこと無いでしょうしね。
かといってクソゲーとして話題になるポテンシャルも無いんですよ。落ちまくりでゲームできないからゲーマーから評価すらしてもらえない。
本当にいろんな意味で残念なゲームだなと思います。
 
以下、ここまで読んでくれた方のために攻略に役立つかもしれないネタ。
・ゲームオプションからフレームレートと解像度を下げると動作が多少マシになる
・100m走で連打するとちょっと早くなる(気がする)。
・ギアは「スピードスター」のみを使えばいい。コインで替えれる「ラピッドストリーム」は別に買わなくても良いと思った。100まで上げても遅い。

羽生さんとは現在2度会いましたが、同じ物がかぶりました。コンプ無理だろうな。