あおなじみ

日常生活。恨み節。性別捨てたい非国民。ネガティブ。

RE_PRAY考察暫定版(2023/11/13更新)

とりあえず脳内整理ということで暫定版を投下します。のちのち、中身がだいぶ変わると思います。

「推し活」という現実逃避装置で、否応なく現実を突きつける羽生結弦の「RE_PRAY」についての考察です。

前作「GIFT」はやや難解だったものの羽生結弦の自叙伝的内容であったため、比較的理解しやすい話ではありました。今作「RE_PRAY」はゲームがテーマとなっており、少々難解なメタフィクション的な作りとなっています。

個人的に「RE_PRAY」は「今まで羽生さんが怖くて言えなかった事をファンに対して言うために作った作品」だと思いました。そして話(ゲーム内のゲーム)の展開的には「4Aという究極の力を求めて競技を続けていたはずだったのに、破壊の使者になってしまった」という感じかな?と受け取りました。11/5の公演では考察のヒントとして、羽生さん自ら「観客の皆さんがプレイヤーであり神様です」「キャラクターに支配されていませんか?」とコメント。またパンフレットには「僕自身も色々と出てきたりはするのですけど、でも僕はプレイヤーである観客の皆さんの代表としての存在、みたいな感じです。」と書かれていたので、破滅の使者にしてしまったのは我々という事になります(多分)。

個人的に考察していて一番ビビったのはプレイヤーである観客の皆さんの代表としての存在である自己が破滅の使者であるクジャだったという事です。羽生さんそんなに思い詰めてたの?と…。

***

ショーが始まるとまず、ゲームのプレイヤーである厨ニ感満載の指グローブをした羽生結弦ファミコン的なもののスイッチを入れ、ゲームを開始します。その後ゲームの世界を構築するように白いローブをまとった羽生結弦*1が現れ、グリッドの中で舞います。背景には黒い天使のシルエット*2が。

FF10の「いつか終わる夢」を舞い、モニターにはゲームをする羽生結弦の映像。羽生の周りには命の光が流れており、それを手にすれば激流から逃れる力を得ることが出来るという。「YES」を選択し、流れる命を手にし喰らう羽生。ここでは「命を摘み取った」と表現される。赤いハート*3、そして「生きる」。

突如として不気味な雰囲気になり、リンク上には二筋の赤い光が。般若心経が流れ、真っ黒な女王系魔王様という感じの羽生結弦ムチがとっても似合いそうが登場。般若心経のBGMは椎名林檎の「鶏と蛇と豚*4である。背景のモニターでは妖しく赤い▲が光を放っており*5、滑り終えた羽生はリンク脇ショートサイド側の舞台へ。「微動だにしない強いケツイ」「後戻りなどしない 後先など考えない」「私がこの世界のルールだ」と言い、リンクを去っていきます。

すると8bit調の愉快なBGMが流れだし、羽生結弦はドット絵のキャラクターとしてゲーム画面内でモンスター(スライムやゴブリン、悪魔っぽいの)を倒していきます。アイテムを集め装備を強化し、レベルアップしていく。最初はたった一輪だった白い花が13本に増え*6*7、「自由を手に入れた」「もう激流に飲まれる事などない」とナレーションが入る。

そしてここでトロッコ問題*8が現れる。1つだけ命の入った籠と5つ命の入った籠があり、スイッチを押さないと5つの命が消えてしまうのだ。「スイッチを押しますか?」時計の音とともにモニターに映し出される客席。しばらく時計の音だけが会場に響き、客席と選択肢が明滅するという緊張感溢れる演出が。

11/4の公演ではスイッチが押され、5つの命が救われた。*9夢の世界が再構築され、緑(Hope&Legacy)、白(阿修羅ちゃん)、青(主人公?)のキャラクター達*10がプレイアブルキャラクター?になる。

殺伐とした流れと釣り合わない、間違って連れてこられた感のある「普段は精霊やってるんですが…」という雰囲気の「Hope&Legacy」が氷上を舞う。しかしHope&Legacyの力を持ってしても世界は荒廃し「大地は枯れている」ようだ。

羽生は「選択はあっていたのだろうか」「あんなにも多くの敵を倒し続けてしまった」「その素材(カケラ)で強くなっていった」*11「それは間違った事だった…?」「答えは ない」「誰にも正解はわからない」としつつも「なら この世界で生きていくことを決意しよう」「全てを背負って戦おう」などとつぶやきつつ、ゲームを続けます。

石柱が立ち並ぶ*12白黒の市松模様の床*13の空間で、ゲームオーバーとコンティニューを繰り返しつつも挑戦を続けます*14。そしてなんとかギリギリでステージをクリアし「おまえ、ここに来るまで一度も死んでないよな」「それとも、何度死んできた?」*15というメタな問いかけが入ります。

SE*16と共に登場する羽生。出だしの攻撃技部分も自身のスケート靴の音で表現。そう、曲は「MEGALOVANIA」である。レーザーやプロジェクションマッピングを駆使し、骨攻撃っぽい演出など、がっつり原作を再現。強敵を倒し、最後のステージ*17へ進みます。

モニターには主人公と、メカメカしい羽の生えたラスボスに相応しい敵*18*19が。プレイアブルキャラは(旧)ロミオとジュリエット、パリの散歩道、オペラ座の怪人、SEIMEI、Hope&Legacy、Let's Go Crazy、天と地と、RealFace、レゾン、阿修羅ちゃん、そして「?」。

ボスキャラクターはこんなふうに語りかけてきます。

ようこそ よくここまできた 欲望のままに ここまできた気分はどう?

好奇心だけで 区区たるモノを踏み台にしてきた気分はどう?

ここに至るまでの人生(みち) 様々なことがあっただろう。

あなたは知っている。勝利することの快感を。道を切り拓くことの達成感を。

そして、次の物語の展開を楽しみに待っていた。

何もかも乗り越えてきたつもりだろう。だがそれは、大きな勘違いだ。

振り返れば分かるだろう。乗り越えてきたんじゃない。

他人も、身体も、精神も、自我も、命も、道徳も、倫理も、理性も、想いも、

夢も、希望も、憎しみも、嫉妬も、全て壊して、踏みつけて歩いてきた世界だ。

ただ考え、見ていただけ?選んだのだろう?

見続けるという選択を。この世界を見たいという心のままに

同時に、進めるよう、応援していたのだろう。

一緒に戦っていたのだろう。”レベルアップ”(成長)してきたのだろう。

何度も止められるチャンスはあった。それでも、物語に委ねてきたのだ。

もう、止められない。

次々と呆気なく倒されていく羽生結弦のプログラム(キャラクター)たち。「?」が選択され登場する赤いキャラクター。いとも簡単にボスを倒してしまいます。

さあ 最後だ。

これで 最後だ。

突き進むために、ここまでの想いのために、選択しよう。

あなたの世界に、越えるべき壁はありますか?

壊すべき壁はありますか?

モニターが開き*20、赤い衣装を纏った羽生結弦がリンク上の「YES」を力強く踏む*21。6分間練習が始まり、試合前のような雰囲気に。6分間練習後半のBGMは「独りじゃない*22のギターアレンジ。

「戦う 壊す 戦う」「何と? わからない」「いや、わかっていた」

「けど わからなくなってくる」「ただ壊すことが全てなのか」

「わからない」「わかりたくもない」「壊せ 壊せ 壊せ」

「進むために」「おれのケツイが やっとだせる*23*24*25

不穏なビープ音が鳴り、いよいよ演技が始まります。曲はFF9より「破滅への使者」のギターアレンジです。演技を終え、モニターにはセーブ画面が表示されます。セーブしようとするのですが、データが壊れていてセーブ出来ません。

「セーブデータがこわれています」という表示と共に、前半は終わります。*26

 

 

---随時更新予定です---

 

 

 

*1:タロットカードの1「魔術師」と思われる。ポーズも同じ

*2:UNDERTALEにおけるデルタルーンの紋章の▲はモンスター、上の羽の生えた円はモンスターを救う救済の天使、もしくは死の天使と解釈されています

*3:UNDERTALEの❤ケツイ

*4:「東京喰種」7巻63話以降:力を得るために金木が喰種を共喰いし始め、「東京喰種」7巻66話:金木くんが「まずい」「吐きそう」「最低の味だ」と言いながらヤモリを喰う場面あたりに歌詞が対応している。喰種は喰種を食べるとパワーアップするが…(後述

*5:UNDERTALEにおけるデルタルーンの紋章の▲はモンスターを意味する。赤色なのは先述の❤と、東京喰種の赫眼もモチーフであろう。

*6:タロットカード13「死神」。13は完全数の12、新たなスタートを意味する1(魔術師)から形成。旗に描かれた白い花は生と死の神秘を暗示。 祈りを捧げる聖職者も描かれている。

*7:羽生結弦平昌五輪後~北京五輪までに手にしたメダルの数も13であり、羽生は勝利する事を「犠牲がある」と表現した事があった

*8:「東京喰種」7巻62話:ヤモリに母親か子供どちらを殺しどちらを生かすかという選択肢を押し付けられる場面がある

*9:11/5では押されず、1つの命が救われるというストーリー分岐あり!ただし結末は変わらない

*10:各種ハート(タマシイ)の色はこのように対応しており、緑→親切(H&L)、青→誠実(Megalovania)、白→モンスターの魂(阿修羅ちゃん)です。

*11:UNDERTALEのGルート=虐殺ルート最終盤にて"キャラ"というキャラクターが「私は自分を蘇らせたものが何なのか悟った。私たちは共に敵を殲滅し力をつけた。HP…ATK…DEF…ゴールド…EXP…LV…数字が大きくなる度にお前が感じたもの…それが私…『キャラ』だ…」と話す

*12:UNDERTALE、サンズの審判の場面がもモチーフ

*13:「東京喰種」7巻63話辺り~:市松模様の床の上でヤモリとバトル

*14:ここで「ああ、こうやってみたら?」「なるほど…」とか言ってるのが「東京喰種」7巻65話:「どうだ?」「浅いか…」と呟きながら力を試すかのように戦う金木くんとダブる

*15:UNDERTALE、サンズとホテルでの会話?

*16:UNDERTALEでモンスターと遭遇するときのあの音

*17:北京五輪的な位置付けなのか?

*18:UNDERTALEの最終形態アズリエルに似てもいるが、頭部はロボコップ的な感じで口だけが覗いている

*19:北京五輪を当てはめるのであれば、このボスは幼少期の羽生結弦という事になる

*20:ここで流れる曲はBergentrückung

*21:ここからのBGMはAsgore

*22:原作では主人公のジタンを仲間が助ける時に流れるシーンなので、皮肉っぽい演出になっている

*23:「やっとだせる」の部分だけ音声が加工され、声が被ったようになっている

*24:こちらの演出もUNDERTALEの「キャラ」を彷彿とさせる。

https://dic.pixiv.net/a/Chara%28Undertale%29

https://undertale.fandom.com/ja/wiki/Chara

https://dic.nicovideo.jp/t/a/chara%28undertale%29

*25:メインビジュアルに映りこむもう一人の羽生さんもキャラを意識していると思われる

*26:UNDERTALEの「SAVE」は「助ける」という意味に変ずる時がある。つまり助けなくていい、残さなくていいデータという意味か?