あおなじみ

日常生活。恨み節。性別捨てたい非国民。ネガティブ。

畳だらけの家で畳の縁を一切踏まずに落ち着いた生活を送れるのか

羽生結弦が殿様になったよー!でも公開された映像で畳の縁を踏んでいるよー!という件で、いろいろ騒がしい。

これを聞いて自分は、「畳の縁を踏んだからどうしたんだよ?」と思ったんですよ、ぶっちゃけ。

なんでかと言うと、自分は自分の家で畳の縁を無意識に踏みまくって暮らしているから。

うちは昔からある平屋で、7部屋中5部屋が和室だ。
寝るときは布団で畳の上で寝るし、布団はどういう形で敷いたとしても縁にかかるし、布団を畳むときもおそらく無意識に縁を踏んでいる。
タンスやテレビ台も畳の上に置かれており、縁を踏んでいる。テレビを見てゴロゴロするときも絶対に踏んでいると思う。踏まずに日常生活を送るのは不可能だと言っても良い。

そもそもこの「畳の縁を踏まない」という話は、縁に家紋がデザインされていたからだとか、昔は縁が脆かったからだとか、床下の忍者が隙間から刀をぶっ刺してくるからだとか、諸説あるようなのですが、はっきり言ってどれも馬鹿馬鹿しいと思っている。
茶道や、他人の家での振る舞いとして畳の縁を踏まないというのなら理解できるけど、自分の家で気を使いまくるような話ですかね?これ。

畳は江戸時代から庶民にも広まったそうなんですが、人間が家でやることなんて昔も今も大して変わらないと思うわけです。
寝そべったり、遊んだり、仕事したりしている間、常に90×180くらいの大きさの長方形に気を使って生きていけると思いますか?私はそんなの無理だと思うんですよ。
いくら縁が脆かろうが、家紋がデザインされてようが、そんなに気を使って生きていけるわけが無いです。
おたくのフローリングが全部畳になったところを想像してみてください。どう考えても無理でしょう?
無理じゃないと思うなら、床にテープ貼って試してみてください。
一週間は出来たとしても、それを何年も続けるのはまず無理だと思います。縁にこだわり続けて生きてたら発狂すると思いますよ。

だから別に、殿様が畳の縁を踏んづけてても変じゃないと思うんですよ。
リラックスしてる時ですら側近がわざわざ「殿!縁を踏んでおります!」なんて言ってたら、メンタルをやられると思います。
平民が来てたとしても立場は上ですし、そんなに気を使う必要は無いでしょう。むしろ畳の縁を気にし歩幅を変えられたら逆に小物っぽくて、様にならないのでは。
これが殿が将軍に会う場面なら話は変わってきそうですが、どう見ても将軍の屋敷って感じではないですよね。

で、この「畳の縁を踏まない」という作法は、いったいいつから始まって、どういう時に用いられる作法だったんですかね?
検索しても茶道が関係してるくらいしかわからず、ぼんやりとした話ばかり引っかかるのでいまいちです。
大名が将軍に会うときには畳の縁を踏まないように気をつけていたという話は出て来たのですが、一体いつから誰がどのようなときに用いていた作法なのか、さっぱりわかりませんでした。
そもそも時代劇は時代検証の人がだいたいついていて、問題があるようなら突っ込みが入ると思うんですが、「いかなる時も畳の縁を踏むべからず」というのは、ただの「ズブの素人が思い込んでるだけのオレ流江戸しぐさ」なんじゃないでしょうか?
日常生活において畳の上でどう過ごしていたのか、ちゃんとそういう資料を持ってきてからあれこれ言うべきなんじゃないですかね。

「自分の家であっても絶対に畳の縁を踏んではいけない」なんて、血の通ってない、畳の部屋生活してない人の発想だなあと、畳の部屋で生活している自分は思うのです。
(もちろん余所のお宅にお邪魔するときは気を付けてますのでご安心ください)
この謎のマナーについて全く疑問を抱いていない人は割と多そうなので、うっかり家族の誰かが無意識に畳の縁を踏んでしまったところを、それ見たことか!とギャーギャー喚き散らす神経質な人を想像してしまいました。すごく家庭内暴力っぽくないですか・・・。

というかこれを書いてる自分も歴史とか民俗学的なことはまったくわからないので、もしどなたか江戸時代の人は自宅でも絶対に畳の縁を踏まずに生活していたという話をご存知でしたら教えていただきたいです。
また、江戸時代の人の細かな生活のあれこれが紹介されている本などご存知でしたらよろしくお願いします。
もちろん「昔っからそう言われてるからそうなんだよ」とかそういうボヤケた話は抜きですよ?よろしくお願いします。